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「不動産トラブルを防ぐ!愛知県のがけ条例をやさしく解説」

こんにちは!名古屋市瑞穂区の不動産会社「悠久ホームサービス」です。

「気に入った土地が見つかったけど、建築制限があるって本当?」「がけの近くだと家を建てられないの?」

こんな疑問をお持ちではありませんか?

愛知県で土地を購入してマイホームを建てようと考えている方にとって、「がけ条例」は見逃せないポイントのひとつです。この条例は、がけ崩れなどの災害から私たちの暮らしを守るために設けられた大切なルールですが、その内容は少し分かりづらく、事前に把握しておかないと余計な費用や設計の制限につながることもあります。

この記事では、愛知県のがけ条例について、初めての方にもわかりやすく解説しながら、対象となる土地の見極め方や注意点、もし該当していた場合の対処法まで丁寧にご紹介していきます。

不動産トラブルを未然に防ぎ、後悔のない家づくりをするために、ぜひ最後までお読みください。

がけ条例って何?不動産購入とどう関係するのかを解説

「がけ条例」とは、崖の近くにある土地で建築を行う際、安全を確保するために自治体が設けている建築規制のことです。土砂崩れや地滑りといった自然災害を防ぐ目的で、がけの高さや傾斜に応じて建築の可否や条件が定められています。

特に、がけの上や下に家を建てる場合は、一定の距離を空ける必要があったり、安全性を確保するための補強工事が必要になる場合があります。

この条例の存在を知らずに土地を購入すると、後から「建てられない」「追加の工事が必要」といったトラブルに発展することも。不動産購入や家づくりで失敗しないためには、がけ条例の基本を理解しておくことがとても大切です。

愛知県のがけ条例の概要と他県との違い

愛知県のがけ条例(正式名称:愛知県建築基準条例第8条)は、がけ地に接する土地における建築物の安全性を確保するために定められた建築規制です。
ここでいう「がけ」とは、勾配が30度を超え、かつ高さが2メートル以上ある斜面を指します。

条例の主な内容としては、建築物の敷地がこのようながけに接する、または近接する場合、次のような安全距離が求められます。

  • がけの上に建てる場合:がけの下端から、その高さの2倍以上の水平距離を空ける

  • がけの下に建てる場合:がけの上端から、同様に高さの2倍以上の水平距離を空ける

ただし、地盤が堅固であることが確認できる場合や、擁壁などの特殊な構造で安全性が確保されている場合には、例外としてこの距離制限が適用されないこともあります。

愛知県では、これらの規定を通じて土砂災害の防止と住環境の安全確保を目的としています。また、他県と比べて、愛知県は地盤調査結果や造成履歴なども含めて判断するなど、実態に応じた柔軟な運用がされているのも特徴です。

名古屋市瑞穂区のような都市部でもこの条例は適用されるため、がけに近い土地での建築を考えている場合は、事前に専門家や建築士に相談し、計画段階から条例を踏まえた設計を行うことが重要です。

がけ条例が適用される土地とは?対象エリアと判定方法

愛知県のがけ条例が適用されるのは、「高さ2メートル以上」で「勾配が30度を超える」斜面(がけ)に接しているまたは近接している土地です。たとえば、がけのすぐ上や下にある敷地、または擁壁が設置されている土地などが該当します。

一見すると平坦に見える土地でも、過去の造成履歴や周囲の地形、擁壁の状態によっては、条例の対象となるケースもあるため、注意が必要です。特に住宅地では「がけのように見えない人工的な傾斜地」が規制の対象となることもあります。

がけ条例の適用有無を確認する方法としては、以下のような手順が有効です:

  • 建築指導課などへの問い合わせ:自治体の担当部署に問い合わせることで、条例の該当状況や必要な安全措置を確認できます。

  • 現地調査と地盤調査:専門家による測量や地盤診断で、がけの高さや勾配、地盤の強度を確認することが可能です。

  • 土地売買契約前の調査依頼:不動産業者や建築士に依頼して、事前にがけ条例への該当可能性を確認してもらうことが望ましいです。

万が一、購入後にがけ条例の規制がかかることが判明すると、建築の自由が制限されたり、補強工事が必要になってしまうため、「事前確認」が何より重要です。

がけ条例に該当する土地を買ってしまったら?必要な対応と費用感

もし、購入した土地が「がけ条例」の適用対象だった場合、建築を進めるためには安全対策の実施が必須になります。そのままでは建物の建築が制限されるため、以下のいずれかの方法で安全を確保する必要があります。

主な対応方法:
  1. 擁壁(ようへき)を設置する
     がけ崩れを防ぐためのコンクリート擁壁や補強構造を設けることで、安全性を確保できます。これにより、条例で定められた距離制限が緩和されるケースもあります。

  2. 堅固な地盤であることを証明する
     地盤調査を実施し、「建物を安全に建てられる強固な地盤である」と判断されれば、条例の制限が適用されない場合があります。

  3. 建物の位置や構造を調整する
     建築物の配置や設計を変更し、がけから十分な距離を確保する方法も選択肢のひとつです。

気になる費用の目安:
  • 擁壁工事の費用:100万円〜500万円程度(規模・地形・素材により変動)

  • 地盤調査・報告書作成費用:10万円〜30万円程度

  • 設計変更や追加工事のコスト:内容により大きく異なる

こうした費用はすべて、土地代とは別に発生する「追加コスト」です。予算に余裕がない場合、想定外の出費となるリスクもあります。

そのため、購入前の段階で「がけ条例該当の有無」と「必要な安全対策の内容・費用感」を事前に把握することが非常に重要です。すでに購入してしまった場合でも、まずは建築士や構造の専門家に相談し、最適な対策を立てるようにしましょう。

後悔しないために!がけ条例を避けるための土地選びのコツ

がけ条例に該当する土地は、安全面での不安や予期せぬ費用が発生する可能性があるため、できれば購入前に避けたいところです。では、どのような点に注意すれば、がけ条例のリスクを回避できるのでしょうか?以下のポイントを押さえておきましょう。

1. 地形図・標高図・現地の高低差を確認する

まずは、購入を検討している土地の地形や周辺の高低差をチェックしましょう。国土地理院の地形図や、インターネット上で確認できる標高マップを使えば、傾斜地や段差がある場所かどうかを事前に把握できます。

2. 擁壁や斜面がある土地には要注意

現地を見たときに古い擁壁や崖状の斜面がある土地は、がけ条例の対象になる可能性が高いです。特に、隣地との段差が2m以上ある場合は、条例の規制を受ける前提で確認を進めましょう。

3. 不動産会社や建築士に「がけ条例の該当有無」を確認する

購入前には必ず、不動産会社に対して「この土地はがけ条例の対象か?」と具体的に確認してください。地盤調査や市町村の建築指導課への照会を通じて、正確な情報を得ることが大切です。

4. 住宅用地は「なるべく平坦な場所」を選ぶのが安全

理想を言えば、がけ条例の影響を受けない「平坦な土地」を選ぶのが最も安心です。造成地でも、周囲との段差が少なく、擁壁や傾斜がない場所を選ぶようにしましょう。


不動産購入は一生に一度の大きな買い物。だからこそ、「価格」や「立地」だけでなく、「法的規制」や「地形的なリスク」にも目を向けて判断することが、後悔しない土地選びの鍵となります。

まとめ:愛知県のがけ条例を理解して、安全・安心な土地選びを

愛知県で土地を購入し家を建てる際には、「がけ条例(愛知県建築基準条例第8条)」に注意が必要です。特に、高さ2m以上・勾配30度超のがけに接する土地では、建築に制限がかかる場合があります。

条例に該当する土地では、建築物との距離をがけの高さの2倍以上空ける必要があるほか、擁壁の設置地盤調査による証明が求められることもあります。これにより、数十万円〜数百万円単位の追加費用が発生する可能性もあるため、事前の確認が欠かせません。

特に注意したいのは、「一見すると平坦に見える造成地」や「古い擁壁が残る住宅地」。こうした場所でもがけ条例が適用されるケースがあり、知らずに土地を購入してしまうと、あとから思わぬ出費に悩まされることになります。

後悔を避けるためには、次の3つを意識しましょう:

  1. 現地の地形・高低差の確認

  2. がけや擁壁の有無に注目

  3. 専門家や自治体に条例該当の有無を必ず相談する

がけ条例を正しく理解しておけば、安心・安全なマイホーム計画につながります。不動産購入は慎重に、そして計画的に進めましょう。

売主の立場から見た「がけ条例」の注意点と伝え方

不動産を売却する際、対象地が「がけ条例の適用対象」に該当するかどうかは、買主にとって大きな判断材料となります。とくに住宅用地として販売する場合、「建築に制限がかかる可能性」がある土地については、正確な情報開示と事前説明がとても重要です。

■ なぜ売主にとっても重要なのか?

がけ条例の規制により、買主が希望する建物を建てられないケースや、擁壁工事・地盤改良などの追加費用が発生するケースがあります。こうした情報を契約前にきちんと説明していなかった場合、以下のようなトラブルにつながる可能性があります:

  • 売買契約後のクレーム・トラブル

  • 瑕疵担保責任を問われるリスク

  • 契約解除や損害賠償請求に発展する恐れ

■ 売却前にできる対応

売主としては、以下の点を確認・準備しておくことで、買主からの信頼を得られ、円滑な取引につながります:

  • 土地ががけ条例に該当するかどうか、市区町村の建築指導課などに事前確認する

  • 擁壁の構造や築年数、設計図面があれば保管・提示しておく

  • 必要に応じて、簡易な地盤調査報告書などを準備する

  • 仲介業者や宅建士に「がけ条例に該当する可能性」を共有しておく

■ 情報開示は「マイナス」ではなく「信頼」につながる

がけ条例の適用がある土地でも、適切な対策や説明がされていれば購入希望者は現れます。むしろ、リスクを隠すよりも、オープンに開示し、「どのような対策をすれば安全に建築できるか」を合わせて伝えることで、信頼性のある取引が実現できます。


不動産売却においては、「土地そのものの価値」だけでなく、「信頼できる情報の提供」が大きな差別化要因となります。がけ条例を正しく理解し、適切に対応・開示することで、スムーズな売却とトラブル防止を実現しましょう。