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「空き家が特定空家に認定されるとどうなる?罰則や解決策を徹底解説」
こんにちは。不動産の活用・管理について情報発信をしている名古屋市瑞穂区の不動産会社「悠久ホームサービスの不動産売却サポートブログ編集部」です。
近年、空き家の増加が社会問題として注目されていますが、「まだ使う予定がないし、今は放っておいても大丈夫」と思っていませんか? 実は、放置された空き家が「特定空家等」に認定されると、行政からの指導や高額な税負担といった大きなリスクが発生します。
この記事では、「特定空家」や「管理不全空家」の定義、認定された場合のリスク、認定されないための具体的な対策、さらには支援制度まで詳しく解説しています。空き家を所有している方、今後相続する可能性がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
特定空家等・管理不全空家等とは何か?定義と背景を解説
日本全国で空き家の増加が深刻化する中、「特定空家等」や「管理不全空家等」といった新たな区分が設けられています。これは、放置された空き家が周辺環境や安全性に悪影響を及ぼすことを防ぐための対策です。
特定空家等とは、「倒壊の危険がある」「ゴミが放置され衛生上問題がある」など、すでに周囲に悪影響を与えている空き家を指し、行政が指導・勧告・命令を行えるようになります。
一方、2023年の空家対策特措法の改正によって新設された「管理不全空家等」は、まだ悪影響を与えていないものの、今後特定空家になる恐れがある空き家を対象としています。つまり、所有者に対して早めの対応を促す“警告”のような制度です。
特定空家に認定されるとどうなる?所有者に課せられるリスクとは
特定空家等に認定されると、空き家の所有者にはさまざまなリスクや負担が生じます。まず行政からの指導・勧告・命令を受け、それでも改善が行われない場合には強制的な措置が取られる可能性もあります。
具体的には、行政が空き家を解体・修繕する「行政代執行」が行われることがあります。この際の費用は所有者に請求されるため、数百万円単位の出費となるケースも少なくありません。
さらに大きな影響として、固定資産税の優遇措置が解除される点が挙げられます。通常、住宅が建っている土地には「住宅用地特例」が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されます。しかし、特定空家に認定されるとこの特例が解除され、税額が6倍に跳ね上がる可能性があります。
つまり、空き家を放置することは「資産」ではなく「負債」へと変わるリスクがあるということです。
どんな空き家が特定空家等と判断されるのか?具体的な認定基準
空き家が「特定空家等」や「管理不全空家等」と認定されるには、法律に基づく明確な基準があります。これらは、行政が実地調査などを通じて判断するもので、以下の4項目が特定空家等の該当条件とされています。
① そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
建物の老朽化が進み、屋根や外壁の崩落、倒壊などによって通行人や近隣住民に危険を及ぼすと判断される場合です。
② そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
ごみの放置、動物の死骸、害虫の大量発生などが原因で、周囲の衛生環境に深刻な悪影響を及ぼす恐れがあるケースです。
③ 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
雑草の繁茂や建物の腐食などによって、周囲の景観と著しくかけ離れた状態が続き、地域の美観を損ねている場合です。
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
上記に該当しない場合でも、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすと判断された場合、特定空家等として扱われる可能性があります。
これらの基準に基づき、自治体が空き家の状態を評価し、特定空家等として認定するかどうかを判断します。認定されると、前述のような勧告や命令、固定資産税の優遇解除などの行政措置が取られるため、早めの対応が肝心です。
特定空家になる前にできる対策と管理方法
空き家が特定空家等に認定されてしまうと、多くのリスクや負担が生じます。そうなる前に、適切な管理と対策を講じることが重要です。
まず基本となるのが、定期的な巡回と清掃です。庭の雑草を刈り、ゴミを処分し、建物の外観や屋根・外壁の状態をチェックすることで、劣化や異常を早期に発見できます。
次に、雨漏りや腐食、シロアリなどの劣化対策も重要です。放置しておくと建物の傷みが進み、特定空家の認定リスクが高まります。必要に応じて、部分的な修繕やリフォームを行いましょう。
遠方に住んでいる場合や、日常的な管理が難しい場合は、空き家管理サービスの利用も効果的です。専門業者が定期的に訪問し、建物や敷地を点検・清掃してくれるため、安心して空き家を維持できます。
また、空き家を今後使う予定がない場合は、売却や賃貸、解体の検討も有効な選択肢です。放置すればするほど価値は下がるため、早めに活用方法を見直すことが将来的な損失回避につながります。
空き家所有者が知っておくべき支援制度や相談窓口
空き家の管理や活用に困ったときは、自治体や専門機関の支援制度を活用するのが賢明です。現在、多くの市区町村では空き家問題の解決に向けて、さまざまな支援策を用意しています。
たとえば、以下のような支援が受けられるケースがあります。
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空き家の解体費用の補助金
一定の条件を満たせば、解体費用の一部を自治体が補助してくれる制度があります。 -
リフォーム費用の助成金
空き家を賃貸や売却目的でリフォームする際、補助が出る場合があります。 -
空き家バンクへの登録支援
空き家バンクとは、空き家を希望者に紹介するマッチング制度です。登録を通じて、売却や賃貸につながることも。
また、空き家対策に関する相談窓口も各自治体に設置されており、専門の担当者が状況に応じたアドバイスを提供してくれます。
加えて、国土交通省の「空き家対策ポータルサイト」や、地域のNPO法人・不動産団体も情報提供や支援を行っているため、積極的に活用しましょう。
こうした支援制度を知っておくことで、空き家問題に悩まされる前に、より良い対応が可能になります。
まとめ
空き家の放置は、ただの“使っていない家”では済まされません。劣化や管理不全が進むと「特定空家等」や「管理不全空家等」に認定され、固定資産税の優遇が失われたり、行政から命令・代執行を受けるリスクがあります。これは、空き家が“資産”から“負債”へと変わる重大な転換点です。
しかし、こうした状況は適切な管理と早期対応で回避可能です。定期的な清掃・点検、修繕の実施、管理サービスの利用、さらには売却・賃貸・解体などの検討が、空き家を守る鍵となります。
また、多くの自治体では補助金や相談窓口、空き家バンクの仕組みなど、所有者を支援する制度が整備されています。困ったときは一人で抱え込まず、専門機関の力を借りることが大切です。
今のうちに、自分の空き家がどういった状態にあるのかを見直し、トラブルを未然に防ぐ一歩を踏み出しましょう。