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「市街化調整区域の土地は売れる?後悔しないための売却ポイントとは」

こんにちは。名古屋市瑞穂区の不動産会社「悠久ホームサービスの不動産売却サポートブログ編集部」です。

不動産の売却を検討中の皆さまへ、今回は「市街化調整区域の土地売却」について、わかりやすく解説いたします。

「市街化調整区域って売れないの?」「どうやって買い手を見つければいいの?」といった疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実際、都市計画法による規制があるこのエリアの不動産は、売却が難しいと言われがちです。

しかし、法的なポイントや地域ごとのルールをしっかり把握し、適切な戦略を取ることで、スムーズな売却も十分可能です。

この記事では、調整区域の基礎知識から、売却時に押さえておくべき法的チェックポイント、そして実際に高く売るためのコツまで、プロの視点で詳しくご紹介しています。ぜひ最後までお読みいただき、後悔のない売却活動にお役立てください。
 

市街化調整区域とは?基本的な定義と都市計画法の関係

 市街化調整区域とは?都市計画法に基づく基本知識

「市街化調整区域」とは、都市計画法に基づき、市街地の無秩序な拡大を防ぐために指定されたエリアのことです。目的は、農地や自然環境を保全し、都市の健全な発展を図ることにあります。

一方、同じく都市計画法で定められた「市街化区域」は、住宅地や商業施設などの建設が推奨されるエリアです。この2つは対照的な役割を持っており、**市街化調整区域では原則として新たな建築や開発が禁止**されています。

調整区域に建物を建てるには、厳しい条件をクリアして**自治体から特別な許可(開発許可)**を得る必要があります。たとえ土地を所有していても、自由に活用できるとは限らない点が特徴です。

そのため、調整区域内の不動産を売却する際は、**まずその土地が持つ「制限の内容と背景」**を正しく理解することが不可欠です。誤解や思い込みによるトラブルを防ぐためにも、都市計画法の基礎知識を押さえておきましょう。
 

市街化調整区域の土地が売却しにくい理由

なぜ売れにくい?市街化調整区域の土地が敬遠される3つの理由

市街化調整区域にある土地が売却しにくい最大の理由は、**原則として建物が建てられない**という点です。住宅や店舗の建築ができなければ、住宅用地や事業用地としての需要は当然低くなります。

加えて、**住宅ローンが使えない可能性が高い**こともネックになります。調整区域の土地は金融機関にとって「担保価値が低い」と判断されることが多く、購入希望者がローン審査に通らず、現金一括での取引しか選べないケースもあります。

また、「そもそも調整区域とは何か」を理解していない人も多く、「この土地はなぜ安いのか?何か問題があるのでは?」といった不安を持たれがちです。

こうした背景から、市街化調整区域の土地は**買い手が限定される・売却に時間がかかる・価格交渉されやすい**といった課題を抱えているのが現実です。
 

売却前に確認すべき法的・行政的チェックポイント

売却前に必ずチェック!調整区域の土地に関する法的・行政的ポイント

市街化調整区域の不動産を売却する前に、まずは**行政的な制限や許可の有無をしっかり確認**することが欠かせません。確認すべき代表的なポイントは以下の3つです。

1. 既存宅地(旧都市計画法43条1項6号)かどうかの確認
かつて建物が建っていた実績のある土地(既存宅地)であれば、**特例で建築が認められるケース**があります。これは売却時に大きなアピールポイントとなります。

2. 開発許可・農地転用の必要性
住宅などを新たに建築するには、**開発許可**が必要になる場合があります。特に農地を含む場合は、**農地転用許可**も必要となるため、注意が必要です。

3. 自治体の条例や指針
調整区域の運用ルールは、**自治体ごとに異なる**のが特徴です。同じ市街化調整区域でも、場所や用途に応じて許可の可否や条件が大きく変わることがあります。事前に役所や都市計画課へ相談しておきましょう。

これらのポイントをあらかじめ把握し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることで、**売却時のトラブルや買い手の不信感を未然に防ぐ**ことができます。

 

既存宅地とは?


市街化調整区域は市街化を抑制する区域であるので、建築が厳しく規制されている。

具体的には、市街化調整区域内で建築を行なうことができるのは次の3つのケースである(都市計画法第43条第1項)。

1.開発許可を受けて、その開発許可に適合する建築を行なう場合
2.建築許可が不要な建築を行なう場合
3.建築許可を受けた場合

しかし2001(平成13)年5月18日より前には、市街化調整区域内であっても一定の条件を満たす土地であれば、建築許可を受けないで建築をすることが広く認められるという制度が存在した。
これが「既存宅地」の制度である(旧都市計画法43条1項6号)。

既存宅地の制度とは次の条件のすべてを満たす宅地については、建築許可を受けなくとも、建築物の新築・改築・用途変更を一定の範囲内で認めるという制度であった。

1)市街化区域に隣接している地域内の土地であること
2)おおむね50戸以上の建築物が立ち並んでいる地域内の土地であること
3)市街化調整区域に編入された際にすでに宅地であったこと
4)3)について知事の確認を受けたこと

このような知事の確認を受けた既存宅地については、比較的自由に建築を行なうことができたのである。

しかし、2001(平成13)年5月18日に都市計画法が改正・施行されたことにより、こうした既存宅地の制度は、5年間の経過措置を経たのちに消滅することとなった。

具体的には、改正法施行日(2001(平成13)年5月18日)以前に既存宅地である旨の確認を受けた土地については、施行日から5年間(2006(平成18)年5月17日まで)だけは「自己の居住または業務を行なうことを目的とする建築行為」であれば、従来と同様に建築許可を受けずに建築することができる。

ただし「自己の居住または業務を行なうことを目的としない建築行為」については、経過措置の対象にならないので、原則通り建築許可を取得することが必要となっている。

市街化調整区域の土地をスムーズに売るための戦略

市街化調整区域の土地をスムーズに売る3つの戦略

市街化調整区域にある土地をスムーズに売却するには、**住宅地とは異なる「専門的な売却戦略」**が必要です。以下の3つのポイントを意識することで、売却成功の可能性が高まります。

1. 売却ターゲットを明確にする
調整区域の土地は、住宅を建てたい一般層よりも、
- 隣接地の所有者
- 農業従事者
- 資材置き場や駐車場として活用したい事業者  
など、**用途を理解したニッチな買主**を想定することが重要です。

2. 地元に強い不動産会社を選ぶ
都市部の大手不動産会社では、調整区域に関する知識や取引実績が乏しいケースも。**地元密着型で調整区域の取り扱い経験が豊富な業者**を選ぶことで、買主の開拓や役所とのやり取りもスムーズに進みます。

3. 販売活動は「地元向け」にシフト
ネット広告だけでなく、**地元住民向けのチラシ配布や折込広告**など、リアルな販促も有効です。地域ニーズに即した販促手段を選ぶことが、調整区域では特に成果に直結します。

市街化調整区域の土地は「売りにくい」とされがちですが、**適切なターゲットと戦略**を立てることで、スムーズな売却は十分可能です。
 

高く売るために知っておきたい工夫と注意点

市街化調整区域の土地を「より高く売る」ための工夫と注意点

市街化調整区域の土地でも、ちょっとした工夫で**価格を維持しながら売却できる**可能性があります。以下のポイントを意識しましょう。

1. 土地の魅力を明確にアピール
購入希望者にとって魅力となる要素を洗い出しましょう。
- 道路に面していてアクセスしやすい
- 日当たり・風通しが良い
- 既存宅地で建築が可能な可能性がある  
といった点は、**価格の根拠や交渉材料**になります。

2. 地元の潜在的買主へ積極的にアプローチ
売却前に、**隣接地の所有者や地元の事業者**に声をかけておくのも有効です。地域の土地事情に詳しい人は、事業用途や拡張目的での購入を検討してくれることがあります。

3. 書類の整備で信頼度アップ
土地の法的制限や利用可能性について、**分かりやすい資料を準備**しましょう。物件状況報告書・測量図・法的制限の説明書などを用意することで、買い手の不安を軽減できます。

焦って売るのではなく、**魅力をきちんと伝えたうえで信頼できる買主をじっくり探す**。それが、市街化調整区域の土地をより高く売るための最大のポイントです。
 

まとめ

市街化調整区域の土地売却は「戦略と準備」がカギ

市街化調整区域の土地は、都市計画法によって建築や用途に厳しい制限があるため、一般的な住宅地よりも**売却が難しい**とされています。とくに「建物が建てられない」「住宅ローンが使えない」といった点が、買い手に敬遠される理由です。

しかし、正しい知識と戦略があれば、売却は十分可能です。まずは**既存宅地や開発許可の有無など法的条件をしっかり確認**し、必要に応じて役所へ相談しましょう。

また、**地域ニーズに合ったターゲット選定**や、**調整区域の取扱いに慣れた地元の不動産会社**の活用がスムーズな売却への近道です。さらに、土地の魅力を整理してアピールし、必要書類を整えることで、**信頼性の高い売却活動が可能**になります。

「売りにくい」と言われがちな調整区域の土地でも、しっかり準備して戦略的に売却を進めれば、**納得のいく価格での売却も夢ではありません**。