新着情報・ブログ

新着情報・ブログ

news

【2025年最新】不動産売却の取得費算出方法|税金を抑えるポイント

不動産売却を検討されている皆様、こんにちは!名古屋市瑞穂区の不動産会社「悠久ホームサービスの不動産売却サポートブログ編集部」です。

不動産を売却する際、多くの方が「税金はどれくらいかかるのか」「少しでも税負担を軽くしたい」と考えられることでしょう。実は、譲渡所得税の計算において「取得費」を正確に算出することで、大幅な節税効果を得られる可能性があります。

しかし、取得費の計算方法は複雑で、何が対象となるのか、どのように計算すればよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、不動産売却時の取得費算出方法について、基本的な考え方から計算手順、注意すべきポイントまで詳しく解説いたします。正しい知識を身につけて、適切な税務処理を行い、賢い不動産売却を実現しましょう。

取得費の基本概念

取得費とは何か

取得費とは、不動産を取得するために支払った費用の総額のことです。不動産売却時の譲渡所得税を計算する際の重要な要素の一つで、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が課税対象となる譲渡所得となります。

譲渡所得計算における取得費の位置づけ

譲渡所得の計算式は以下の通りです:

譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用

この計算式からも分かるように、取得費が大きいほど譲渡所得が小さくなり、結果として税負担も軽減されます。逆に、取得費を正確に計算せずに過少申告してしまうと、本来よりも多くの税金を支払うことになってしまいます。

取得費の重要性

取得費の算出は単なる計算作業ではありません。適切な取得費の計算により、数十万円から数百万円の節税効果を得られる場合があります。特に、長期間所有していた不動産や、購入時に多額の付随費用がかかった不動産の場合、取得費の影響は大きくなります。

また、取得費の計算を誤ると、税務調査の対象となるリスクもあります。正確な算出方法を理解し、適切な記録を保持することが重要です

取得費に含まれる項目

土地・建物の購入代金

取得費の中核となるのは、土地と建物の購入代金です。売買契約書に記載された金額がベースとなりますが、消費税込みの金額で計算します。

仲介手数料

不動産会社に支払った仲介手数料は、取得費に含まれます。購入時の仲介手数料は全額が取得費として計上可能です。

登記費用

所有権移転登記や抵当権設定登記にかかった費用も取得費に含まれます。具体的には以下の費用が対象となります。

  • 登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 登記事項証明書取得費用
不動産取得税

都道府県に納付した不動産取得税も取得費として計上できます。ただし、軽減措置を受けた場合は、実際に支払った金額が対象となります。

その他の付随費用

不動産取得に直接関連する以下の費用も取得費に含まれます。

  • 印紙税(売買契約書に貼付)
  • 測量費
  • 地盤調査費
  • 建物の取り壊し費用(更地にして使用する場合)
  • 設備費(エアコンや給湯器などの設備費用)
  • 改良費(リフォーム費用など)

なお、住宅ローンの金利や火災保険料、固定資産税などの維持管理費は取得費に含まれませんので注意が必要です。

取得費の算出方法

実額法による計算

実額法は、実際に支払った取得費を積み上げて計算する方法です。最も正確な方法であり、通常はこの方法を使用します。

計算手順:

  1. 購入代金の確認(売買契約書から)
  2. 付随費用の集計(領収書等から)
  3. 建物部分の減価償却費の計算
  4. 取得費の合計額の算出
概算法(5%ルール)の適用

売却価格の5%を取得費とする簡便な方法です。以下の場合に適用されます:

  • 取得費が不明な場合
  • 実額法による取得費が売却価格の5%を下回る場合

適用例: 売却価格が3,000万円の場合、取得費は150万円(3,000万円×5%)となります。

建物の減価償却の考慮

建物部分については、所有期間中の減価償却費を差し引いて計算します。

減価償却費の計算式: 建物取得価額 × 0.9 × 償却率 × 所有年数

主な償却率:

  • 木造住宅:0.031
  • 軽量鉄骨造:0.025
  • 鉄筋コンクリート造:0.015

土地については減価償却の対象外のため、購入価格がそのまま取得費となります。

取得費算出の注意点と特殊ケース

相続不動産の取得費

相続により取得した不動産の場合、被相続人の取得費を引き継ぎます。

計算のポイント:

  • 被相続人の購入価格と取得費を確認
  • 相続税の一部を取得費に加算可能(相続税の取得費加算の特例)
  • 相続開始から3年10ヶ月以内の売却が条件
贈与不動産の取得費

贈与により取得した不動産の場合も、贈与者の取得費を引き継ぎます。ただし、贈与税を支払った場合は、一定の要件下で取得費に加算できます。

必要書類の準備

取得費を正確に算出するためには、以下の書類が必要です:

必須書類:

  • 売買契約書
  • 領収書類(仲介手数料、登記費用等)
  • 不動産取得税の納税証明書

推奨書類:

  • 住宅ローンの金銭消費貸借契約書
  • 工事請負契約書(リフォーム等)
  • 測量図面

書類の紛失がある場合は、不動産会社や金融機関に相談し、可能な限り資料を収集することが重要です。

節税対策と実務上のポイント

取得費を正確に計算するメリット

正確な取得費の計算により、以下のメリットが得られます:

節税効果: 取得費を100万円多く計上できれば、所得税・住民税合わせて約20万円の節税効果があります(税率20%の場合)。

税務調査への対応: 適切な資料に基づいた計算により、税務調査があっても安心して対応できます。

専門家への相談の重要性

複雑なケースでは、税理士や不動産の専門家への相談をお勧めします:

相談が必要なケース:

  • 相続不動産の売却
  • 事業用不動産の売却
  • 大規模な改修工事を行った不動産
  • 取得時期が古く、資料が不足している場合

専門家への報酬は発生しますが、適切な取得費の計算により、それ以上の節税効果を得られる可能性があります。

よくある計算ミス

以下のような計算ミスにご注意ください:

建物の減価償却計算ミス:

  • 償却率の間違い
  • 所有期間の計算ミス
  • 建物と土地の按分計算の誤り

付随費用の計上漏れ:

  • 仲介手数料の計上忘れ
  • 登記費用の一部計上漏れ
  • リフォーム費用の未計上

概算法の適用判断ミス:

  • 実額法の方が有利なのに概算法を選択
  • 取得費資料の調査不足

補足:減価償却計算の重要ポイント

事業用と居住用の違いを正しく理解する
取得費の計算において、建物の減価償却は事業用不動産と非事業用(居住用)不動産で大きく異なります。
居住用不動産(マイホーム等)の特徴:

償却率が事業用の1.5倍の年数に対応する償却率となっており、なるべく税金を発生させないという政策的配慮があります
計算式:減価償却費 = 建物購入価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
月単位ではなく年単位で計算
6ヶ月以上の端数は1年、6ヶ月未満は切り捨て

事業用不動産(賃貸物件等)の特徴:

取得年月によって計算方法が異なり、平成19年4月1日を境に計算式が変わります
月単位での細かい計算が必要
青色決算書の年初未償却残高を基準とする

中古不動産の取得費計算の注意点
中古不動産を購入した場合、事業用不動産では耐用年数を求めることが必要ですが、非事業用不動産の耐用年数は構造だけで決まります。
中古の事業用不動産:

法定耐用年数の全部経過:中古物件の耐用年数 = 法定耐用年数 × 20%
法定耐用年数の一部経過:中古物件の耐用年数 = 法定耐用年数 - 経過年数 + 経過年数 × 0.2

中古の居住用不動産:

築年数に関係なく、構造のみで償却率が決定
計算が非常にシンプル

構造別償却率の正確な把握
建物構造によって償却率が決まっており、事業用と非事業用で大きく異なります:
主要構造の償却率(居住用):

木造:0.031(33年)
鉄筋コンクリート造:0.015(70年)
鉄骨造:厚さにより0.020~0.036

正確な償却率の適用により、取得費の計算精度が大幅に向上し、適切な節税効果を得ることができます。

まとめ

不動産売却時の取得費算出は、譲渡所得税を大幅に軽減できる重要なポイントです。

取得費には土地・建物の購入代金だけでなく、仲介手数料、登記費用、不動産取得税、各種付随費用が含まれます。実額法による正確な計算を行い、建物については適切な減価償却費の計算を忘れずに行いましょう。

相続や贈与により取得した不動産については、特別な計算方法があります。また、必要書類の準備や保管も重要です。

正確な取得費の算出により、適切な税務処理を行い、無駄な税負担を避けることができます。複雑なケースでは、専門家への相談も検討し、最適な売却戦略を立てましょう。

不動産売却は人生の中でも大きな取引の一つです。適切な知識と準備により、成功する売却を実現してください。