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不動産売却の一括査定サイトは本当に便利?メリット・デメリットと注意点を徹底解説【2025年版】

はじめに:不動産一括査定サイトとは?利用前に知っておくべきこと

はじめに:不動産一括査定サイトとは?利用前に知っておくべきこと

不動産の売却を検討する際、「不動産一括査定サイト」を利用するか迷っている方は多いのではないでしょうか。マンション売却、戸建て売却、土地売却を考えている方にとって、インターネット上で簡単に複数の不動産会社から査定を受けられる一括査定サービスは、一見すると非常に便利に見えます。

しかし、大切な資産である不動産を売却する際に、本当に一括査定サイトを利用することが最適な選択なのでしょうか?実は、便利さの裏には知っておくべき注意点やデメリットも存在します。

本記事では、不動産売却における一括査定サイトのメリット・デメリットを、実際の体験談や失敗事例を交えながら詳しく解説していきます。これから不動産売却を考えている方が、ご自身の状況に合った最適な方法を選択できるよう、公平な視点から情報をお届けします。

不動産一括査定サイトとは?仕組みをわかりやすく解説

不動産一括査定サイトとは、所有する不動産(マンション・戸建て・土地)の情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社から無料で査定額を受け取ることができるウェブサービスです。

物件の所在地、面積、築年数などの基本情報と、売主の連絡先(氏名・電話番号・メールアドレス)を入力すると、サイトに登録している不動産会社が査定額を提示してくれる仕組みになっています。

近年、スマートフォンの普及とともに利用者が増加しており、不動産売却の第一歩として活用する方も少なくありません。主な一括査定サイトとしては、HOME4U、すまいValue、SUUMO売却査定、イエウールなどがあります。

不動産一括査定サイトのメリット5選

メリット①手軽に複数社の不動産査定額を比較できる

不動産一括査定サイトの最も大きなメリットは、一度の入力で複数の不動産会社から査定額を得られる点です。従来であれば、各不動産会社に個別に連絡を取り、それぞれに物件情報を説明する必要がありましたが、一括査定サイトを利用すればその手間を省くことができます。

特に、マンション売却や戸建て売却が初めてという方にとって、複数の査定額を比較することで相場観を掴むことができるのは大きなメリットと言えるでしょう。

体験談:Aさん(50代男性)のケース

「親から相続した実家を売却することになり、まず何から始めればいいのか分かりませんでした。友人から一括査定サイトの存在を教えてもらい、試しに使ってみたところ、3日ほどで5社から査定額の連絡が来ました。初めての不動産売却で右も左も分からない状態だったので、複数の査定額を比較できたのは参考になりました」

このように、不動産売却の経験がない方にとって、複数の査定額を手軽に知ることができるのは、市場価格を把握する一つの手段となり得ます。

メリット②24時間いつでも査定依頼が可能で時間効率が良い

複数の不動産会社に個別に連絡を取る場合、それぞれの会社の営業時間に合わせて電話をかけたり、店舗を訪問したりする必要があります。仕事や家事で忙しい方にとって、このような時間を確保することは容易ではありません。

一括査定サイトであれば、24時間いつでも入力が可能で、自分の都合の良いタイミングで査定を依頼できます。深夜や早朝でも申し込みができるため、日中は時間が取れない方でも利用しやすいという利点があります。

ただし、ここで重要なのは「効率性」と「質」のバランスです。大切な資産を売却するという人生における重要な決断において、時間を惜しむことが必ずしも最善の選択とは限りません。むしろ、じっくりと時間をかけて信頼できる担当者を見つけることの方が、結果的に満足のいく売却につながることが多いのです。

メリット③不動産会社の比較材料が得られる

複数の査定を受けることで、各不動産会社のアプローチや対応の違いを比較することができます。査定額だけでなく、連絡のスピード、説明の丁寧さ、提案内容などを比較する材料が得られます。

参考事例:Bさん(40代女性)のケース

「離婚に伴いマンションを売却することになりました。一括査定サイトで6社に依頼したところ、査定額は2,800万円から3,500万円まで大きく差がありました。最初は高い査定額を出してくれた会社に惹かれましたが、実際に話を聞いてみると、根拠が曖昧でした。結局、中間的な価格を提示しながらも、市場動向や売却戦略を丁寧に説明してくれた担当者に依頼することにしました」

このように、複数の選択肢を持つことで、比較検討の材料が増えるというメリットはあります。

一括査定サイトのデメリット

一方で、一括査定サイトには見過ごせないデメリットも存在します。実際に利用した方々の失敗談を含め、詳しく見ていきましょう。

デメリット①営業電話・営業メールの集中

一括査定サイトを利用した方の多くが直面する問題が、不動産会社からの頻繁な営業連絡です。査定を依頼した直後から、複数の会社から一斉に電話やメールが届くことになります。

失敗談:Cさん(30代男性)のケース

「転勤が決まり、急いでマンションを売却する必要がありました。一括査定サイトで8社に依頼したのですが、申し込みをした30分後から電話が鳴り止まなくなりました。仕事中だったのですが、次から次へと着信があり、会議中でも電話が鳴り続けて困惑しました。その日だけで20件以上の着信があり、翌日以降も毎日複数の会社から連絡が来て、正直うんざりしてしまいました。最終的には着信拒否をせざるを得なくなり、本当に話を聞きたかった会社の連絡まで見逃してしまいました」

このような状況は決して珍しくありません。不動産会社側からすれば、一括査定サイトを通じて得られる顧客情報は貴重な営業機会です。他社に先を越されないよう、できるだけ早く、そして熱心にアプローチしようとするのは当然の行動と言えます。

しかし、売主にとってはこれが大きなストレスとなります。仕事や日常生活に支障をきたすレベルの連絡が来ることもあり、「もう一括査定サイトは使いたくない」と感じる方も少なくありません。

デメリット②査定額が実際の売却価格になるとは限らない

一括査定サイトで提示される査定額は、あくまでも「目安」に過ぎません。多くの場合、実際の売却価格とは異なります。特に注意が必要なのは、意図的に高い査定額を提示する会社の存在です。

失敗談:Dさん(60代男性)のケース

「実家の売却で一括査定を利用しました。7社から査定をもらい、最も高い査定額を提示してくれたE不動産に依頼を決めました。査定額は4,200万円でしたが、実際に売却活動を始めると全く反応がありません。3か月経っても内覧希望者すら現れず、担当者から『市場の反応を見ると、3,800万円くらいに下げないと難しいですね』と言われました。さらに2か月後には『3,500万円でどうでしょうか』と提案され、最終的には3,400万円で売却することになりました。当初の査定額より800万円も安い価格です。他社の査定額を見返すと、3,600万円から3,800万円程度が相場だったようで、最初から適正価格で売り出していれば、もっと早く、もっと高く売れたかもしれないと後悔しています」

このような「高額査定による囲い込み」は、残念ながら業界内で一定数存在する手法です。高い査定額で売主の関心を引き、まず媒介契約を結んでもらうことを優先し、その後に価格を下げていくというやり方です。

結果として、売却までの期間が長引き、最終的には相場以下の価格で売却せざるを得なくなるケースも珍しくありません。時間的・精神的な負担だけでなく、経済的な損失にもつながる可能性があります。

デメリット➂個人情報の拡散

一括査定サイトを利用する際には、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を入力する必要があります。これらの情報は、査定を依頼した全ての不動産会社に渡ることになります。

参考事例:Fさん(40代女性)のケース

「一括査定サイトで5社に依頼した後、結局1社と契約して無事に売却が完了しました。しかし、その後も他の4社からは定期的にダイレクトメールが届き続けています。売却から2年以上経った今でも、『新規物件のご案内』や『不動産投資のご提案』といった営業資料が送られてきます。一度個人情報を渡してしまうと、その後の管理が難しいことを実感しました」

個人情報保護の観点から、多くの一括査定サイトではプライバシーポリシーを定め、適切な管理を謳っています。しかし、実際には複数の不動産会社に情報が渡り、その後の利用について完全にコントロールすることは困難です。

デメリット④参加している不動産会社が限られている

一括査定サイトに登録している不動産会社は、そのサイトによって異なります。また、すべての優良な不動産会社が一括査定サイトに登録しているわけではありません。

地域に密着した優良な不動産会社の中には、一括査定サイトには参加せず、独自のネットワークや評判だけで十分な顧客を獲得している会社も多く存在します。一括査定サイトだけに頼ると、こうした会社との出会いの機会を逃してしまう可能性があります。

参考事例:Gさん(50代男性)のケース

「一括査定サイトで6社から査定を受けましたが、どの会社も大手チェーンか、聞いたことのない会社ばかりでした。知人から『この地域ならH不動産が一番信頼できる』と紹介され、直接連絡してみたところ、一括査定サイトには参加していないとのことでした。実際にH不動産の担当者と話してみると、地域の特性や相場を熟知しており、一括査定で出会った会社とは質が全く違うと感じました。結局、H不動産に依頼し、想定以上の価格で売却できました」

一括査定サイトは便利なツールですが、それだけで全ての選択肢を網羅できるわけではないという点を理解しておく必要があります。

デメリット⑤不動産会社の費用負担と営業姿勢への影響

一括査定サイトのビジネスモデルとして、不動産会社は顧客情報を受け取るたびに、サイト運営会社に対して1件あたり1万円から3万円程度の費用を支払っています。

不動産会社側の厳しい現実:数字で見る一括査定サイトの実態

実は、一括査定サイトを通じて不動産会社が成約に至るまでの道のりは非常に厳しいものです。業界のデータによると、一括査定サイトからの問い合わせで実際にお客様宅に訪問してから媒介契約を取得できる率は、大手サイトで約2%から約7%程度と言われています。

さらに、媒介契約を結んだとしても、実際に売却が成立して仲介手数料を受け取れるのは、媒介契約を結んだケースの約半分ほどです。

【具体的な計算例】一括査定サイトから100件の問い合わせがあった場合

■ステップ1:問い合わせから訪問査定へ
一括査定サイトからの問い合わせ:100件

実際に訪問査定を実施できたケース:約20〜35件
(残りは連絡が取れない、他社で決まったなどで訪問に至らず)

■ステップ2:訪問査定から媒介契約へ
訪問査定を実施:30件と仮定

媒介契約取得率:約2%〜7%
媒介契約を獲得できるケース:100件 × 2%〜7% = 約2件〜7件

■ステップ3:媒介契約から成約へ
媒介契約を獲得:5件と仮定

成約率:約50%
実際に売却が成立するケース:5件 × 50% = 2.5件
(実質的には2〜3件程度)

【結論】
一括査定サイトから100件の問い合わせがあっても、
最終的に仲介手数料を得られるのは2〜3件程度

【費用面から見た具体例】成約1件あたりのコスト計算

ある不動産会社が一括査定サイトから月間100件の問い合わせを受けた場合のコスト例を見てみましょう。

■送客費用(一括査定サイトへの支払い)
100件 × 1万5千円(平均) = 150万円

■人件費・経費
訪問査定の実施:60件
1件あたりの人件費・交通費:5,000円と仮定
30件 × 5,000円 = 15万円

■広告宣伝費・その他経費
物件資料作成、販売図面制作など:約20万円

【合計コスト】
150万円 + 15万円 + 20万円 = 185万円

【成約件数】
上記の計算から:1〜3件(平均2件と仮定)

【1件あたりの成約コスト】
185万円 ÷ 2件 = 92万5千円/件

【仲介手数料の例】
3,000万円の物件の仲介手数料:約105万円
(3,000万円 × 3% + 6万円 + 消費税)

【結果】
成約1件あたり92万5千円のコストがかかるのに対し、
得られる仲介手数料は約105万円
→ 実質的には内覧対応などの販売活動のコストもあり、赤字または採算ギリギリ

費用負担が営業姿勢に与える影響

このような厳しい現実があるため、不動産会社は一括査定サイトへ支払った費用を回収しようと、どうしても積極的な営業活動を行わざるを得ません。その結果、以下のような問題が生じることがあります。

  • 顧客の利益よりも、契約獲得を優先した営業活動
  • 無理な価格での売却提案や、高額査定による囲い込み
  • 短期間での契約成立を急ぐ姿勢
  • 他の選択肢を検討する時間を与えない強引な営業
  • 複数回の訪問や頻繁な連絡による過度なアプローチ

不動産会社の立場から見れば、1件あたり1万円から3万円を支払い、さらに訪問や査定にかかる人件費や交通費を考えると、何としても契約を取りたいという心理が働くのは理解できます。しかし、売主側から見れば、この「費用回収のプレッシャー」が必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。

失敗談:Iさん(40代男性)のケース

「一括査定サイトで依頼した不動産会社の担当者が、初回の面談で『今日中に媒介契約を結んでいただければ、特別に広告費を増額します』と強く勧めてきました。『他の会社とも比較したい』と伝えたところ、『そんなことをしていたら、良い条件で売れるタイミングを逃してしまいますよ』と半ば脅すような言い方をされました。違和感を覚えて契約を見送りましたが、後から考えると、一括査定サイトへの費用を早く回収したかったのだろうと思います」

もちろん、一括査定サイトを通じて顧客を獲得した場合でも、真摯に対応する不動産会社は存在します。しかし、構造的に以下のような費用回収のプレッシャーが存在することは事実です。

一括査定サイト経由の不動産会社が抱えるコスト構造

  • 一括査定サイトへの送客費用:1件あたり1万円〜3万円
  • 訪問査定にかかる人件費・交通費
  • 広告宣伝費
  • 媒介契約取得率:約2%〜7%(100件中2〜7件)
  • 媒介契約から成約率:約50%(2件に1件)
  • 結果:100件の問い合わせから1〜3件の成約

このような厳しいコスト構造の中で営業活動を行っているため、どうしても「1件の契約を何としても取りたい」という心理が働き、それが営業姿勢に影響を与える可能性があることは認識しておくべきでしょう。

それでも一括査定サイトを利用したい場合の注意点

ここまでデメリットを詳しく説明してきましたが、それでも一括査定サイトを利用してみたいという方もいらっしゃるでしょう。その場合は、以下の点に十分注意して利用することをお勧めします。

1. 査定の目的を明確にする

一括査定サイトの利用を検討する前に、まず「何のために査定が必要なのか」を明確にしましょう。

おおまかな市場価格を知りたいだけであれば、必ずしも一括査定サイトを利用する必要はありません。インターネット上には、類似物件の成約価格や現在の売り出し価格を調べられるサイトが多数存在します。国土交通省の「不動産取引価格情報検索」や、各種不動産ポータルサイトを活用すれば、ある程度の相場感は自分で把握できます。

一方で、具体的な売却計画を立てるために詳細な査定が必要な場合は、訪問査定を受けることになります。その場合も、一括査定サイトを経由せず、直接信頼できる不動産会社に依頼する方が、落ち着いて相談できる環境を作りやすいでしょう。

2. 連絡への対応を覚悟する

一括査定サイトを利用すると、複数の不動産会社から同時に連絡が来ることは避けられません。この点を事前に理解し、対応する時間と心の準備をしておきましょう。

可能であれば、以下のような対策を講じることをお勧めします。

  • 平日の日中など、電話対応ができる時間帯に申し込む
  • 査定依頼する会社の数を3〜4社程度に絞る
  • 備考欄に「平日18時以降の連絡希望」など、連絡可能な時間帯を明記する
  • 「まだ売却を検討している段階で、複数社の意見を参考にしたい」という姿勢を明確に伝える

3. 高額査定に惑わされない

一括査定で最も高い査定額を提示した会社に依頼したくなる気持ちは理解できます。しかし、前述の通り、高額査定は契約を取るための手段である可能性が高いのです。

判断のポイント

査定額だけでなく、以下の点を必ず確認しましょう。

  • 査定額の根拠は明確か(類似物件の成約事例、市場動向の分析など)
  • 売却までの具体的な戦略はあるか
  • 過去の実績や成約率はどうか
  • 質問に対して誠実に答えてくれるか

実践的なアドバイス

複数の査定額を受け取ったら、最も高い査定額と最も低い査定額を除外し、中間的な価格帯を提示した会社に注目することをお勧めします。その上で、それぞれの担当者と実際に面談し、説明内容や人柄を比較検討しましょう。

納得のできる明確な根拠がある場合を除き、基本的には最も高い査定額を提示した会社への依頼は避けるべきです。

4. 会社ではなく担当者を選ぶ

不動産売却の成否を左右するのは、不動産会社のブランドや規模ではなく、実際に対応する担当者の質です。

優秀な担当者の特徴

  • 物件や市場について深い知識を持っている
  • 売主の状況や希望を丁寧にヒアリングしてくれる
  • メリットだけでなく、デメリットやリスクも正直に説明してくれる
  • 質問に対して即座に、または調べた上で誠実に回答してくれる
  • 売却戦略を具体的に提案してくれる
  • レスポンスが早く、連絡がマメ

避けるべき担当者の特徴

  • 耳障りの良い話ばかりする
  • 他社を過度に批判する
  • 契約を急がせる
  • 質問に対して曖昧な回答をする
  • 売主の話をあまり聞かず、一方的に話す
  • 根拠なく「絶対に売れます」などと断言する
  • 早く売却をしてくれれば仲介手数料を割引しますと買取業者への早期売却を提案する(買取は市場相場の6~8割程度の価格になる)

参考事例:Jさん(50代女性)のケース

「一括査定で出会ったK不動産の担当者は、初回面談で『正直に言うと、この物件は売却に時間がかかると思います』と言いました。理由を聞くと、近隣で似た物件が複数売りに出ており、競合が多い状況だと説明してくれました。その上で、『だからこそ、価格設定と広告戦略が重要です』と具体的な提案をしてくれました。他の担当者は『すぐに売れますよ』という楽観的な話ばかりでしたが、この正直さに信頼を感じ、K不動産に依頼することにしました。結果的に、当初の予定より少し時間はかかりましたが、納得のいく価格で売却できました」

耳障りの良い話ばかりする担当者ではなく、時には厳しい現実も含めて正直に話してくれる担当者を選びましょう。不動産売却は長い付き合いになることも多く、信頼関係が何より重要です。

5. 「とりあえずの査定」という姿勢を明確にする

もし売却の意思がまだ固まっていない段階で一括査定を利用する場合は、その旨を最初から明確に伝えることが重要です。

  • 「まだ検討段階で、市場価格を知りたいだけです」
  • 「売却するかどうかは、査定結果を見てから判断します」
  • 「複数の選択肢を比較検討したいので、時間をかけて決めたいです」

このように伝えることで、強引な営業を受けるリスクを減らすことができます。それでも強く営業してくる会社は、売主の意向を尊重しない会社である可能性が高いため、候補から外す判断材料にもなります。

一括査定サイトを使わない選択肢

ここまで一括査定サイトのメリット・デメリット、そして利用する場合の注意点を説明してきました。しかし、大切な資産である不動産を売却する際には、一括査定サイトを使わずに、じっくりと時間をかけて信頼できる不動産会社や担当者を探す方が、結果的に満足のいく売却につながることが多いのです。

直接不動産会社に相談する方法

一括査定サイトを経由せず、直接不動産会社に相談することには、以下のようなメリットがあります。

1. 落ち着いて相談できる

複数の会社から一斉に連絡が来るというストレスがなく、1社ずつ落ち着いて相談できます。

2. じっくりと関係性を築ける

急かされることなく、担当者との信頼関係をじっくりと築くことができます。

3. より詳細な相談が可能

一括査定サイト経由の場合、どうしても「他社との競争」という意識が働きますが、直接相談の場合は、より本質的で詳細な相談ができます。

4. 費用面でのプレッシャーがない

不動産会社側も一括査定サイトへの費用を支払う必要がないため、より余裕を持って対応してくれる可能性があります。

信頼できる不動産会社の探し方

では、一括査定サイトを使わずに、どのように信頼できる不動産会社を見つければよいのでしょうか。

1. 知人・友人からの紹介

最も信頼性が高いのは、実際に不動産売却を経験した知人や友人からの紹介です。リアルな体験談を聞くことができ、担当者の人柄や対応についても事前に知ることができます。

2. 地域の評判を調べる

物件がある地域で長年営業している不動産会社は、地域の特性や相場に精通しています。地元の掲示板やSNS、口コミサイトなどで評判を調べてみましょう。

3. 実店舗を訪問する

実際に店舗を訪問し、店内の雰囲気やスタッフの対応を見ることも重要です。清潔で整理整頓された店舗、丁寧な対応をしてくれるスタッフがいる会社は、仕事にも誠実に取り組んでいる可能性が高いでしょう。

4. 複数社に個別に相談する

時間はかかりますが、2〜3社に個別に相談し、比較検討することをお勧めします。一括査定サイトのように一斉に連絡が来るストレスもなく、それぞれの会社とじっくり話ができます。

不動産売却で本当に大切なこと

一括査定サイトを利用するかどうかという判断以前に、不動産売却において本当に大切なことは何でしょうか。

1. 時間をかけることを恐れない

大切な資産を売却するのですから、手間を惜しんではいけません。効率性や手軽さを優先するあまり、重要な判断を誤ってしまっては本末転倒です。

数百万円、場合によっては数千万円という金額が動く取引において、数週間、数か月という時間をかけて慎重に検討することは、決して無駄ではありません。

2. 信頼できる担当者を見つける

繰り返しになりますが、不動産売却の成否を決めるのは担当者の質です。大手だから安心、高い査定額を出してくれたから良いという判断ではなく、「この人になら任せられる」と心から思える担当者を見つけることが最も重要です。

3. 正確な情報と知識を持つ

不動産売却に関する基本的な知識を自分自身で身につけることも大切です。相場の調べ方、売却の流れ、必要な費用、税金など、基本的な知識があれば、不動産会社の説明が適切かどうかを判断することができます。

4. 焦らない

「早く売らなければ」という焦りは、判断を誤る原因になります。特に、不動産会社から「今が売り時です」「早く決めないと損をします」などと急かされても、冷静に状況を判断しましょう。

本当に急いで売却する必要がある場合を除き、納得のいくまで時間をかけることが、結果的に満足のいく売却につながります。

まとめ

不動産売却における一括査定サイトは、確かに手軽に複数の査定額を知ることができるというメリットがあります。しかし、同時に多くのデメリットも存在します。

  • 営業電話・メールが集中するストレス
  • 査定額が必ずしも実際の売却価格にならないこと
  • 個人情報が複数の会社に渡ること
  • 参加している不動産会社が限られていること
  • 不動産会社が費用回収を優先する可能性があること

これらのデメリットは、時として売却活動全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

もちろん、一括査定サイトを利用して満足のいく売却ができた方もいらっしゃいます。しかし、大切な資産を売却するという重要な決断において、手軽さや効率性だけを優先することは推奨できません。

むしろ、時間をかけて信頼できる不動産会社や担当者を探し、じっくりと相談しながら売却を進めていく方が、結果的に満足度の高い売却につながることが多いのです。

不動産売却は人生における大きなイベントの一つです。後悔のない選択をするために、焦らず、慎重に、そして納得のいくまで検討することをお勧めします。

一括査定サイトは、あくまでも選択肢の一つに過ぎません。ご自身の状況や目的に合わせて、最適な方法を選択してください。そして、何よりも「この人になら任せられる」と思える担当者との出会いを大切にしてください。

不動産売却の成功は、良い担当者との出会いから始まります。手間を惜しまず、時間をかけて、その出会いを見つけてください。

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代表取締役 山内 章寛

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